人材紹介会社が転職者を集客・マーケティングする際に知っておくべき事

こんにちは、人材紹介ビジネス・ラボ編集部です。こちらの記事では、人材紹介会社様向けに、事業運営や集客マーケティングノウハウ等をお伝えして参りたいと思います。

今回は、人材紹介会社の集客・マーケティングについてお話したいと思います。

人材紹介業の集客・マーケティングについて

人材紹介事業の集客・マーケティングについてですが、ここで言う集客とは、基本的には、転職者を集客するという事になります。

通常人材紹介会社が転職者を集める方法としては、以下の手段・手法があると言われています。

  • 口コミ・知人紹介・リファーラル
  • 自社ホームページからの問い合わせ
  • 転職データベースサイト経由のスカウトメール
  • 広告(交通広告・看板広告・雑誌広告・インターネット広告・SEO・・等)
  • indeed

ほとんどの中小規模の人材紹介会社は、得意分野や領域にもよりますが、基本的には、知人紹介や自社HPもありつつも、転職データベースサイトのスカウトメールを利用しているのではないでしょうか。

実際、人材紹介会社大手で業界3位のJACリクルートメントでさえも、転職者集客の多くを他社転職サイトのスカウトDB経由に依存していると言われています。

大手転職サイトのスカウトデータベースについて

転職サイトのスカウトDBとしては、以下が多く使われていると言われています。

  • リクナビNEXT(リクナビNEXT エージェントNetwork <通称>RAN-System)
  • エンのミドル
  • DODA
  • マイナビエージェント
  • ビズリーチ
  • イーキャリアFA(SBヒューマンキャピタル)
  • キャリアトレック

それぞれのメディアごとに細かな課金形態や料金、利用ルール等は異なりますが、基本的な仕組みは同じでして、各転職メディアに会員登録してWebレジュメと呼ばれる簡易な職務経歴などの内容を入力・登録している匿名の転職者ユーザーに対して、中小エージェントがメディアと提携する事で、彼ら彼女らにスカウトメールを送る事ができるシステムです。

スカウトメールが届いた転職者・ユーザーは、興味があれば、スカウトメールに返信を行い、実際にスカウトメールを送った人材紹介会社・転職エージェントと面談を行います。

面談後は、通常のエージェントサービスとして、フォローして、求人紹介を行っていくわけですが、人材紹介会社が紹介した求人企業に決定したタイミングで、メディアに対して報告を行い、成果報酬型で一定の広告費を支払うといった課金モデルが多いです。

競争激化により暴落するスカウトメール返信率

2010年の秋頃に、リクナビNEXTのスカウトデータベースが、他社の人材紹介会社へもオープン化しまして、しかも固定費ではなく、当時は初期コストは0円で完全成果報酬型であったという事が革命的でした。

著者自身も、2011年3月に人材紹介会社を設立しまして、当初からリクナビNEXTのスカウトデータベースを利用させてもらっていたのですが、当時は加盟人材紹介会社数が300社もなく、スカウトメールの返信率が10%〜13%程度ありました。

ですので、1日あたり新着ユーザーに対して、10件づつスカウトメールを送付していると、週に70~80件程の送付数になるわけですが、結果的に週に7~10名程の転職者の方から返信があり、十分な面談数を獲得する事ができていました。

しかし、その後、エージェントの皆さんも感じていると思いますが、景気回復とともに、人材紹介会社の開業数も増加し、メディアへの加盟人材紹介会社も増える事で、サイト内部でのスカウト送付の流通量が膨大になりました。

それにより、大幅にスカウトメールの返信率が下がっていきました。

リクナビNEXTについては、現状は20代の若手転職者層については、スカウトメール返信率の平均値が0.4%にまで下落してしまっていると言われています。

これは、平均値通りの返信率の場合、スカウトメールを200件送ったとしても、1人も返信がないという事を意味しています。

これでは、さすがにスカウトメールを打つ人材紹介会社の担当者も疲弊してしまいますよね・・。

スカウトメールは、転職者の経歴を閲覧した上で、ターゲットを絞ってコンタクトをする事ができるため、効率的ではあるのですが、その分、競争も激化し、十分な数の集客数・面談数を担保する事が難しくなってきているようです。

そうした背景から、他のチャネル・手段での転職者集客やマーケティングを模索する人材紹介会社も増えているようです。

口コミ、リファーラルでの転職者集客について

多くの人材紹介会社にとっては、それ以外の方法としては、口コミやリファーラルでの転職者集客がメジャーになっているかと思います。

転職支援・決定ができた方から、お友達や同僚の方をご紹介いただくという事ですね。

こちらは、とにかく親身になって転職サポートを行う事で、転職者の満足度を高め、是非友人にもオススメしたい!と思ってもらう事が重要と思います。

つまり、淡々と、面談を行い、求人を紹介して、面接日程調整して、決定〜といった最低限のサービスだけですと、大事な友人を紹介をもらう事は難しいのではないでしょうか。

友人紹介・リファーラルしてもらえるコツとは?

では、どうすれば、転職者から友人紹介、リファーラルをいただく事ができるのでしょうか。

大変手前味噌ながら、著者は、転職者サポートを行った際に、転職者からご友人や同僚などをご紹介いただけるケースが多いです。

その理由を振り返った上で、整理してみましたので、是非ご参考にしていただければ幸いです。

単なる求人紹介だけでなく、キャリアアドバイスを行う

よほど保持している求人に希少性があるのであれば別ですが、単に求人を紹介するだけであれば、あえて友人を紹介しようとは思わないと思います。

なぜならば、友人が自分が希望する求人と同じ求人を希望するとは限らないためです。

では、なぜ転職者が友人も紹介してあげよう!と思うのでしょうか。

それは、恐らく紹介された求人の数や内容ではなく、面談時にキャリアアドバイスを通じて、「自分の志向や将来のビジョンを整理できた!」、「すっきりした!」といった体験が希少であり、このエージェント、人材会社でないと得られない付加価値があると思えたからではないでしょうか。

毎月のKPIに追われたり、既存の日常業務の進め方に慣れてしまって、そのような視点でのサポートを疎かにしてしまっていませんか?

丁寧に面接対策を行う

面接対策を丁寧に行う事自体も、前述したキャリアアドバイス以外の部分での付加価値ですよね。

面接対策は、通常業務としても行っている人材紹介会社やコンサルタントの方は多いかと思います。

ただ、その面接対策も、どのレベルでサービス提供できているかがポイントと思います。

単純に企業の事業内容や、仕事内容を説明しているだけで面接対策ができていると思ってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここで言う面接対策というのは、自己分析や、それを第三者に整理してアウトプットしてもらうという事を念頭に置いた面接の対策です。

転職エージェント、コンサルタントも、意外とそこまでのフォローやサポートをしていない方が多いようで、ここを丁寧にしっかりとサポートしている事だけでも、付加価値と感じてもらえるのではないでしょうか。

内定後、強引なクロージングは行わない

内定後の強引なクロージングは紹介決定だけを念頭に入れると短期的には合理的かもしれませんが、結果として転職者との信頼関係を壊してしまう可能性があります。

仮に内定受諾・意思決定をしていたとしても、強引なクロージングを受けた転職者は、自分の大事な友人を紹介しようとは思わないのではないでしょうか。

紹介した友人に対しても、自分に対してのクロージングと同じような対応を取られるであろうと思うと紹介はしないですよね。

決定後、お祝いランチを行う

転職決定後に、電話やメールのみで済ませてしまうコンサルタントも多いかもしれません。

確かに翌月の売上目標や、新規の面談に追われていると、なかなか決定した方に対して時間や工数を割こうというインセンティブは働きにくいかもしれません。

しかし、転職者にとっては、転職活動以上に、転職先の企業に入社してからが本当のスタート地点なのです。

そこで、入社前や、直後に、お祝いランチを行い、入社後の心構え等をアドバイス、フォローをする事で、転職者にとっては大きな付加価値になりますし、単なる求人紹介業者ではなく、入社後、長期的なキャリア相談相手に鞍替えされるのです。

業者よりも、キャリア相談相手の方が、よほど大事な友人を紹介しようと思ってもらえる事は言うまでもないですよね。

入社日に改めてご連絡を行う

多くの人材紹介会社のキャリアアドバイザーは、入社日に、出社確認連絡をしているかと思います。

ただテンプレートで、出社していますか?とった杓子定規な連絡のみであれば、転職者も初出社日に萎えてしまいますよね。

それよりも、当初の転職の目的や軸を思い出してもらいつつ、入社後に目的を達成できるようエールを送ってあげるべきではないでしょうか。

少なくとも、転職者にとっては付加価値がありますし、サービス終了後にも、連絡を継続的にしていける相手であると認識は変わると思っています。

入社後、継続的にフォローを行う

著者は、転職サポート後1年〜3年以上経過した方々から、LINEでメッセージをいただく事が多くあります。

内容としては、「営業でMVPをとって表彰されました!」であったり、「部署異動の内示があったのですが、自分の当初から想定していたキャリアとして内示を受けた後どのような意識をして臨んでいくべきか?」等、前向きな報告や相談がほとんどです。

人によっては、「トップセールスになりました!」とご報告をいただいたとしても、「おめでとうございます!ただ、Aさんのゴールはトップセールスになる事なんでしたっけ?顧客の問題解決がしたくて転職したんでしたよね?それは進捗できていますか?」と詰め寄る事もあります(苦笑)

このようなサポート・フォローする事は、転職者にとって本来入社後の定着と活躍がキャリア形成上、一番大事なわけですし、クライアント企業にとっても、付加価値になると思っています。

こうした関係値を継続的に持てる事で、大学時代の友人が転職したい・・と悩んでいるタイミングで、紹介してあげよう!と思ってもらえるのだと思います。

人材紹介会社の転職者集客・マーケティングについてのまとめ

いかがでしたでしょうか。

人材紹介会社が転職者を集客する上での全体像や各集客施策においてのポイントについてお話してきました。

まずは、日々の転職者へのサポート満足度を最大化する事が基本ではあると思いますが、今後苛烈する転職者獲得・集客競争を乗り切るため、人材紹介会社もこれまで以上の工夫や努力が求められてくるかと思います。

弊社も人材紹介事業を行っておりますが、スカウトメールを利用しておりません。自社集客で月間150名ほどのお問い合わせがあり、そのノウハウや実績を活用し、転職エージェント様向けのメディア、Callingoodを運営しております。

他社との差別化やブランディングなどのご提案をし、スカウトメールに依存しない集客方法が結果、転職者様に対して質の高い面談やキャリア形成ができる環境作りを成果報酬型でサポートしております。

ご興味があるエージェント様はこちらからお問い合わせ頂けますと幸いです。

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コーリングッド編集部

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